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原子力発電

原子力発電とは、核分裂によって得られる熱エネルギーで水を沸騰させ、その蒸気でタービンを回すことによって発電する方法です。福島第一原発の事故による報道で原子力発電所の構造などを詳しく知ったという人も多いのではないでしょうか。原子力発電にもいくつかの種類がありますが、日本の原発で使われているのは中性子のスピードの速度を弱めるための減速材や冷却水に軽水を利用する「軽水炉」です。原料となるのはウラン235という物質で、このウラン235が3~5%に圧縮されたものが燃料となります。ウラン235に中性子がぶつかるとこのウランは核分裂を起こし、核分裂生成物になりますが、その際に熱エネルギーと中性子が放出されます。放出された中性子が別のウランにぶつかることによって分裂を起こされ、これを繰り返し続けることで熱が発生し続けるのです。この状態がいわゆる臨界です。原子力発電所では、中性子の飛散を妨げる制御棒と水を使って核分裂反応を制御しています。

原子力発電のメリットは、少量の原料でたくさんの電気を作ることができることや、二酸化炭素の排出を伴わないということです。燃料のリサイクルができるようになれば、燃料供給の心配なくエネルギー源の確保ができるという点も大きく、石油や石炭などのエネルギー原料をほとんど産出しない日本にとっては大変魅力的な発電でもあります。しかし、リスクも大きく、確かに二酸化炭素は排出しませんが、事故が起こればそれとは比較にならないほど恐ろしい放射性物質が飛散します。しかも、使用済み核燃料からも放射性物質は放出されるため放射能が漏れないようにして地下深くに埋めるなどの処分が必要になるわけですが、これらの燃料が無害になるまでには5万年や10万年もかかるといいますから、気の遠くなるような話です。これらの燃料の排気問題や、なんといっても原発事故の影響により、日本の原子力発電は大きく変換しようとしています。現在は国内ではほとんど原子力発電所は稼働していない状態であり、今後も再稼働は厳しい状態だといえるでしょう。今こそ本当にクリーンな新しいエネルギー源に切り替えるチャンスなのかもしれません。

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