発電を考える

水力発電

水力発電とは、水の流れを利用して発電を行う方法です。昔から使われていた水車と同じようなシステムで、水の流れでタービンを回すことによって電力を発生させます。もともと水が豊かで山の多い日本には適していることもあって、20世紀の前半は火力発電よりも水力発電が多く使われていました。その後の産業成長時代に大量の電力をコントロールする必要が生じたことで火力発電がメインに使われるようになり、水力発電の比率は下がっていくのですが、最近また水力発電に注目が集まりつつあります。その理由はなんといっても環境にやさしいクリーンエネルギーであるということ。放射能漏れなどのリスクのある原子力発電や、二酸化炭素の排出が避けられない火力発電に比べると、環境への影響がなく燃料なども必要としない水力発電はとてもリスクが少ない発電方法なのです。しかし、それは水量発電所が稼働し始めてからの話で、実際には水力発電所を作るために大きな環境破壊が必要となります。大規模なダムが欠かせない水力発電のために、山を切り開いてダムを建設しなければならないのです。水力発電が積極的に進められていたころは、ダムの底に村が沈む、ということもありました。水力発電は、それができる環境をつくるために大きな犠牲を払うことになるのです。現在の日本には、森林は多いとはいえ大規模ダムを作れるような場所はもう残されておらず、今後大きな水力発電所を作るのは難しいといわれています。また、水力発電は水量によって発電能力が左右されるため、雨が降らない日が続いて水不足になると電力まで不足する事態になってしまいます。現在は他の発電方法も並行して使い、電力を分散して供給するため困ったことにはなりませんが、発電量が安定せず自然の影響を受けやすい水力発電を主力にするにはリスクが大きいといえるでしょう。そのため、すでに稼働している水力発電所の活躍は期待されますが、今後のエネルギー源として水力発電が増えるというのは難しいと考えられます。

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