発電を考える

波力発電

現在はまだ研究段階の域を出ませんが、今後が期待される発電方式としては、海の波の力を生かした波力発電があげられます。四方を海に囲まれた島国である日本では、海は誰にとっても身近な存在であり、波が寄せては返すのは当たり前のことですが、そこにももちろん運動エネルギーが発生しています。この波のエネルギーを利用して電気を生み出そうとするのが波力発電です。波力発電にもいろいろな方法があるのですが、現在主流となっていうのが振動水中形方式で、これは一部を水没させた箱の中で波が上下するよって起こる気流によってタービンを回すというものです。また、タービンを回すのではなく波によって傾いた回転するフライホールが安定しようとする力をつかって直接発電するジャイロ式波力発電も注目されています。そもそも波力発電は振動水中形方式でも風力発電などに比べると発電効率がかなり良いのですが、ジャイロ式では振動水中形のさらに倍の効率で発電できることにも注目です。波の力を利用するので環境に負担がかからず、海岸からの距離にもよりますがある程度の距離があれば景観を損なうこともありませんし、逆に沖合にそういった施設を作ることで海岸の波が穏やかになることも期待できます。ただし、現在ではまだ波力発電の開発に国が本腰を入れているとは言えない状態で、補助金もほとんど支払われていません。そのため、開発費用がネックになってなかなか実用化に至らないという点は否めません。さらに、沖合に発電施設を作るということで、岸からの景観は損なわないものの海の生態系などに影響がある可能性はありますので、それを懸念する地元の漁業関係者から反対の声もあります。なかなか実用化への道は険しいかもしれませんが、日本において周囲の海は貴重なエネルギー源のひとつです。枯渇が不安視される燃料を輸入に頼り続けるよりは、こうした再生可能エネルギーによる発電の実用化に向けて研究を進めていくのが望ましいのかもしれません。

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