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電気は貯めておける?

電気は貯めることができない、という話を聞いたことがある人も多いでしょう。正確には全く貯めることができないというわけではなく、大量の電気を貯めるのは無理だということです。実際、単三や単四の家庭用の充電池をコンセントで充電して使っている人も多いはずで、あれは確かに電気を貯めて使っています。電気自動車や電気自転車など、動力に電気を使う乗り物には電池が必須です。ただしこれは小さな電気を貯める時の話であって、電力会社が何百万kwもの電気を貯めるのとはわけが違います。近づくだけでも感電するような巨大な電気エネルギーを一か所に閉じ込めて安全に絶縁するような技術が今はないということです。家庭用のレベルで考えると貯められる電気の量は増えつつあり、現在では家庭で太陽光発電を行った際に、昼間余った電気を貯めておいて夜使う、などの使用は可能になりました。とはいえ、やはり大量の電力を貯めるのは無理があります。それでは、電力会社はどのようにして電力量の調整や予備の電力の確保を行っているのでしょうか。

その方法の一つが、揚水発電です。水力発電は上から下に流れ落ちる水でタービンを回すことによって発電しますが、揚水発電の場合は落ちた水をわざわざ電力を使って上に戻すことで再び発電できるようにするものです。そのため、夜間の電力が余る時間に水を引き上げて、昼間電力が不足するときに発電を行うといった使い方がされています。それが揚水発電は電池の役割を果たすといわれる所以です。つまり正確には、電気を貯めるのではなく、いつでも発電できるように発電のための水を溜めておくということ。電気は形のないエネルギーですので、必ずしも電気の形で貯める必要はないのです。とはいえ、現在では電気をそのまま貯めることのできるシステムについても研究が進んでおり、溜められる電池の量も増えてきました。発電所レベルでは当分無理でしょうが、私たちの生活は大きな充電池の出現で便利になることも増えてくるかもしれません。

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