発電を考える

火力発電

火力発電は、現在日本で最も利用されている発電方法です。燃料を燃やして水を沸かし、その蒸気でタービンを回すことによって電力を発生させます。とてもシンプルな方法で、日本では現在でも7割近くの電力がこの方法で賄われています。メリットとしては、エネルギー効率がよく、しかも電気の必要量に応じて発電量の調整もやりやすいので扱いやすいということです。事故があったとしても局地的なものになるため比較的安全性が高いともいわれます。日本では現在電力会社やその関連会社が運営している火力発電所だけでも150か所以上があり、企業などの一般事業者が行っている発電所を含めると200か所を超えます。火力発電所は比較的小規模なものもあるので、発電所の数としては多くなるのです。火力発電のデメリットとしては、コストが高いということと、環境への影響があげられます。まず火力発電を行うためには燃料が必要であり、その燃料として石油・石炭・LNGガスなどが使われていますが、どれも輸入に頼っているのが現状です。国際情勢の変化によってその価格も変動するため、常に燃料価格の変動というリスクが切り離せません。また、地球規模で考えてもどれも無限に存在する燃料ではありませんので、将来的には違う方法を使った発電も考えていく必要があります。さらに、火力発電の基本は何かを燃やして熱を発生させるということですが、ものを燃やせば必ず二酸化炭素をはじめ硫黄酸化物や窒素酸化物などの排気ガスが発生します。世界的な環境会議でも二酸化炭素の排出量抑制を進めようとしている今、火力発電は環境面でも問題が指摘されているのです。現在日本では、燃料供給のリスク分散という意味もあって、いくつもの燃料を組み合わせて使っている状態です。火力発電にデメリットがあるといっても現在の主力であり今後も利用していくために、環境保護対策のしやすい燃料や、国産燃料の開発にも力を入れています。同時に火力発電所の技術改良を進めることで、さらに発電効率を上げて燃料を節約したり、排気ガスの出にくい発電システムを作ることも大切です。

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