発電を考える

HOME > 発電と環境

発電と環境

発電と環境は切っても切り離せない関係にあります。特に、現在の発電は火力・水力・原子力が電力源のほとんどとなっており、これらの発電施設が環境に及ぼす影響が問題になっているのです。

たとえば火力発電の場合は、石炭や石油を燃やしたときに発生する二酸化炭素や有害物質がどうしても大気中に放出されますし、水力発電の施設を作るためには大規模な自然破壊が伴います。原子力発電が行われた後の使用済み核燃料が無害になるためには数十万年もの保管が必要になるうえ、事故が起こった時の影響の大きさや恐ろしさは私たち日本人が身を持って経験しました。つまり、現在発電の主力となっている火力・水力・原子力はどれも大きな電力を生み出せるというメリットはあるものの、環境への影響が避けなれない方法でもあるのです。二酸化炭素の増加は地球温暖化の原因となりますし、その二酸化炭素を吸収してくれるはずの森林を伐採して水力発電所は建設されます。また、福島第一原発の事故により漏れ出した放射能は近隣の人々の健康を脅かすばかりか、農作物や海産物の出荷停止など健康的にも産業的にも大きな打撃を与え続けています。

しかし、これだけ電気を使った文化が発達した日本において電気を使わない生活というのはもはや不可能ですし、電気がないと企業や工場の生産がストップしてしまうなど国の機能にも多大な影響を及ぼすのは明白。福島第一原発の事故の影響もあって日本中の原子力発電所がほとんど稼働していない今、火力発電による電力供給の増加を余儀なくされており、そのことが日本の二酸化炭素の減少計画にも影響を与えています。もともと厳しいといわれていた京都議定書の温室効果ガス削減の目標は、2011年の原発事故を受けて全く達成されないまま2012年に終了し、その後の議定書には日本は参加していません。とはいえ、温暖化対策としての温室効果ガス、つまり二酸化炭素の排出抑制は避けられない課題であり、そのためには二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー源の開発が急務となっています。二酸化炭素の排出が少ない原子力発電が二酸化炭素対策としてもてはやされた時代もありましたが、今では世論的にもそれは無理でしょう。そのこともあって、再生可能エネルギーを使った環境にやさしい発電が現在期待されているのです。

Copyright© 発電を考える All Rights Reserved.