発電を考える

振動発電

振動発電とは、振動する力を使って発電をするというちょっと珍しい発電方法です。この時の振動は大きな揺れなどではなく、例えば人や車が歩くことによって生じる地面の揺れなどであり、こうした振動発電パネルを床に敷き詰めることによって歩いただけで電気を生み出すことができます。発電の仕組みにはいくつか種類がありますが、多いのは圧力素子を使ったもので、圧力素子に振動による圧力が伝わることによって電気が発生します。音が空気を振動であるということを利用して、音による発電も研究されていますし、ボタンを押したときの圧力で発電を行う電池不要のリモコンなども考えられています。上を歩くことによって発電し発光したり音が鳴ったりする発電床は各地で使われるようになっており、駅の改札では人が歩いた時の振動を利用して改札機の電気を供給するということも行われ始めました。振動発電は現在のところ発電量が少ないこともあって大きな電力源としては難しいとされていますが、よく考えると振動というのはいたるところで発生しているものです。道路はひっきりなしに人や車が通っていますし、電車が走ればそこでもかなりの振動が生じます。これらの振動はすべてエネルギーを生み出すことが可能で、しかも現在は利用されていない状態です。こうした振動をどんどん発電に使っていけば、振動発電で賄える電気はもっと増えるはずです。発電のためにわざわざ何かを燃やしたりするのではなく、そこにあるエネルギーを利用するという点ではたいへんすぐれた発電システムだといえるかもしれません。現在はまだ面積当たりの発電量が少なく、コストの面で難しいこともあって大規模には普及していませんが、今後のエネルギー源としては大変注目されており、日本はもちろん世界中で開発が進んでいます。大規模な発電設備が必要なく、使うところで必要な電気を作るため小さな製品にも組み込むことができる点も優れており、すでに製品化しつつあるものも少なくありません。

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